日本の政治家は何故、アメリカを気遣わざるをえないのか自分なりに考えてみました

昨日アップした「日本人的無意識の行動の困った点と美徳」というエントリーに対して高澤先生よりいただいたコメントが提起される問題ついて、改めてエントリーを立ち上げて考えてみたいと思います。僕自身、普段、それほど真面目に考えているテーマではないので、勘違いや思い込み等あるかもしれないことご了承下さい。

まず、以下の点に関してです。

アメリカの機嫌を取ることが政治家として、また政党として保身になるのかということが具体的に全く語られないのがとても気持ちが悪いですね。

仰る通りに、誠にもって気持ちの悪い現象ですよね。僕もそう思います。
これに関して、僕が理解している範囲で自分なりに書いてみたいと思います。いわゆる巷で言われている話ですが、一応、自分の中の整理のつもりで書かせていただきます。

自分の印象では、アメリカに機嫌を取る必要があるような政治家というのは、かなり実力者だと思われます。首相か、次期首相候補、それくらいのベテランですね。
彼らは、勿論、地元で当選回数を重ねてきており、それなりの実績を積んでいます。そして、官界、政界、財界にそれなりのコネクションを持ち、影響力を行使出来るようになった政治家です。
おそらく、そういった人が最も恐れるのは、スキャンダルでしょう。明らかな収賄や不正な献金に加え、時には親からのお小遣いや漢字の読み間違いなど、そのレベルは様々ですが、マスコミからなんらかの「叩かれる」材料を極力避けようとします。当たり前の話ですね。

しかし、本人の自覚や行動をはるかに超えて、そういったスキャンダルが降りかかってくるということも今まで何度もあったように思います。
それらは、あとから考えると、不条理であり、言いがかりであったというような事件が少なくありません。戦後政治史において、この手のもので最大の事件はロッキード事件でしょう。
この事件は、70年代の半ば頃に起きた事件で、アメリカのロッキード社が、全日空の旅客機に自社製品を買わせる為に、代理人の児玉誉士夫を通して、当時の首相・田中角栄に5億円を渡したという収賄事件ですね。
ちょうど、僕が高校1年生位の時で、国会の証人喚問に呼ばれたの小佐野賢治の「記憶にありません」という台詞が流行したのを覚えています。

そして、ここからは、誰もが一度は耳にしたことのあるような推測なのですが、この事件は、当時、日中国交正常化で、アメリカから距離を置こうとした田中首相に対して、ピンポイントで、CIAが仕掛けた罠というわけです。

本来だったら、児玉誉士夫が受け取った30億円のうち、田中角栄が受け取ったとされる5億円以外の25億円の行方についても捜査するのが公平なはずなのですが、検察はそういった捜査をうやむやにして、結果として、大物政治家としては田中角栄だけが逮捕されるという結末となります。
そして、いわゆる親米派と言われていた中曽根康弘や、岸信介、福田赳夫のラインは、怪しいといわれながらも、難を逃れた恰好になりました。
これを機に、アメリカCIA=検察 VS 親中=田中派との戦いがあるという話が、なんとなくイメージされたのですね。

繰り返しますが、勿論、僕は真相をつかんでいるというわけではありません。これはあくまでも一般的に語られていることで、インターネット上で例えば、「ロッキード事件」でググれば、一ページ目に出てくるような噂話にすぎません。

そして、その後、先ほど名前を出した中曽根氏や、福田氏の直系の小泉氏がアメリカと良好な関係を保ち(逆に言えば、アメリカの言いなりになって)、長期政権を築く一方で、田中派直系の小沢一郎氏は、90年代~ゼロ年代にかけて、常に政界の中心にいながらも、政治資金規正法違反という微罪で3人の秘書が逮捕され、自身も強制起訴されてしまいました。これに関しても、小沢氏が中国と接近し、アメリカと距離を置いたことが原因という話があります。

詳しくは書きませんが、僕自身は、この小沢氏の件は、検察と、それに加担したマスコミの横暴だと思っています。ただ、現在でも、世論調査では、8割以上の人が小沢氏に対して、いまだ批判的なのを見ると、検察やマスコミの目的は達成された感はあります。そして、彼の政治生命は風前の灯で、もはや復活の目は無いように見えます。
ちなみに、検察という組織も戦後、GHQによって作られたものであり、マスコミもGHQの検閲下から、戦後、新しく生まれ変わっています。

少し長くなってしまいましたが、ようするに、こういった戦後、アメリカから見て、御しがたいと思われた政界の実力者達の失墜劇を見るにつけ、いつの間にか、親米でないと長期政権を維持できないというどこまで本当かわからないけど、なんとなくリアリティがあるような、いわゆる「神話」が出来上ったのでしょうね。
考えてみれば、こうした「神話」は、民主党政権になって、自民党政権以上に語られるようになりました。普天間問題で失敗した鳩山氏は、アメリカに嫌われ、その後の菅氏は、とにかく親米=政権維持を貫いてそこそこ延命し、そして野田氏や次を狙う前原氏も親米と言われています。確かに、TPPに対しても、鳩山氏は反対、菅、野田、前原各氏は賛成でしたね。

さて、TPPに関してですが、今年2月の一般教書演説でオバマ大統領は、とにかく国内の雇用改善を第一課題とすると宣言しました。
そこから考えると、アメリカが今回の日本のTPP参加で期待するのは、モノの輸出を促進するというよりも、日本の高い各種規制を撤廃(緩和)させることによって活性化され得るサービス分野における、輸出市場を確保することによって雇用を改善させる道筋をつけることだというのは明らかなように思います。

現在、日米間ではコメ以外の関税障壁はそれほど無いと言われています。工業製品の多くは既に、現地生産が進み、それ以外の品目でも為替操作(対日ドル安誘導)によって、関税面での障壁はそれほど問題ではなくなっているようです。それゆえに、アメリカは、モノを日本に輸出するというより、保険や金融といったサービスを直接・投資することを考えている、それゆえに、それらの国のシステムをアメリカ化したいのだといわれています。
勿論、アメリカは、それらを日本の国力を衰退させるためにするわけではないでしょう。しかし、実質的な失業率が10%を超え、主要国の中で最大の格差社会になってしまったアメリカ(特にオバマ政権)にとっては、アジア市場拡大(TPP推進)は、その実質的な成果はともかく、来年の大統領選挙再選のための大きなPR材料にしたいのだと思います。

また、アメリカも日本と同様に高齢化が進んでいます。そして、60歳以上の高齢者はアメリカ経済の足を引っ張ります。米軍の沖縄からグアムの移転という話も、別に沖縄の負担軽減のためにするのではなく、その余裕がなくなってきたと見るべきだと思います。

さらに、アメリカが、日本を始めとして環太平洋地域のルールをアメリカ化した後に、狙うのは当然、巨大な中国市場でしょう。もう少し長いスパンで見れば、アメリカにとっての攻めるべき本丸は、日本ではなく、規模感の違う中国ということですね。

もっとも、上記の展望はあくまでも物語に過ぎません。ただ、現時点では、物語でいいのだと思います。オバマ政権にとっては、国内向けに、雇用改善のための展望を示すということが、直近、大事なのであり、野田さんはその脇役としてハワイのAPECで(とりあえず)参加表明をすることが必要だったのでしょう。

そして、このあたりの話はさらに、想像となってしまうのですが、その背景には、日本はアメリカ軍(の核)によって守られているという動かしがたい現実があるのだと思います。

続きは明日以降、書こうと思います。

まさむね

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